【画像】毎日多くの乗客を乗せ、多くの列車が行き交う京都駅
一つ一つの列車は中央でコントロールされている。

2017-5-3掲載開始

JR西日本の列車走行位置
4/28のサービス開始により、JR西日本近畿圏の列車の走行位置が、ネット上で誰でも見られるようになりました。これらは、JR東日本、JR九州、東急、京王、東京メトロでは既に情報公開となっていましたが、近畿圏では初となります。

こうした公開情報は「オープンデータ」と言われる模様です。要するに、今までは内部のみで扱われつつも、公共のデータとしていた情報を、ネット上でも公開するという考え方でしょうか。

【画像】公共データの一例
公共データの一例としては、鉄道との場合、「列車の遅延情報」でしょうか。
列車が何らかの理由で遅れていれば、JRの場合は上画像のように、遅れの時分が表示されていました。実際、これらを駅で見ているだけで、見通しが立たず、ゾッとするものです。

最近では「到着まであと◎◎分」という表示も出ましたが、「遅れている列車がどこに走っているのか」など、具体的な情報までは表示されてない場合も多く、こうした情報は、JRの指令所にある情報から、内部で扱われていたのみ、という状況でした。

JR西日本の列車走行位置は、こうした走行位置をネット上で、4/28~一般公開、ということになります。

 
 


【画像】懐かしの寝台列車
但し、こうした走行位置の公開も、特急列車、上画像のような寝台列車、回送列車や貨物列車等は非公開となり、表示されません。既に公開している、JR東日本、JR九州、東急、京王、東京メトロでも同様の考え方となります。

【画像】
実際には特急列車が運行も、表示されていない例は上画像となります。表示と実際とで異なることになります。あくまでも、一般利用客の利便性向上が目的ですから、回送列車や貨物列車は不要でしょう。

但し、特急列車は、JR東日本でも最初は未公開でしたが、現在では公開されてますので、JR西日本では、今後のサービス改善時の検討課題と言えます。

【画像】回送列車
実際には、こうした早朝に運転される回送列車でも、走行位置では未表示のままである。


では、一週間近くもなれば、色々と要領も分かってきましたので、当方的にまとめましょうか。

【画像】始発列車運行前
JR西日本の列車走行位置を開くと、こうした画面が出て来ます。各路線の選択画面、路線図となります。

始発列車運行前でも、こうした列車の表示がされる場合があります。つまり、駅構内で車両が夜間留置となる場合です。 夜間留置の表示があった駅
A:米原、京都、大阪、上郡、播州赤穂
B:近江今津、堅田
G:新三田
H:木津、京田辺、松井山手、長尾、四条畷
O:天王寺
P:桜島
Q:JR難波、王寺、奈良、加茂(亀山行)
R:天王寺、和歌山

実際はもっと、駅構内の夜間留置がありますが、電留線や回送等を除いたのでしょう。車両の留置は車庫ばかりではなく、始発列車の利便性等で駅構内の留置もあるためで、終電車が終わっても、列車として表示されるのは、こうした理由となります。

【画像】駅停車と駅間走行
次に、駅停車と駅間走行ですが、実際の利用時に比較してみた結果、上画像のような要領ではないかとみられます。

赤枠で、駅停車中黄色枠で、駅間走行、と、大まかに認識してもいいと思います。

駅間走行のタイミングとしては、駅にある出発信号機(もしくは、出発信号機相当)を通過すれば、駅間を走行するという認識の模様です。但し、実際の通過と走行位置の反映まで、多少のタイムラグがあります。

 



【画像】
大阪環状線の場合です。ほぼ1分毎に更新しましたが、各列車が運行されていることが分かります。「+1」などは、遅れの時分となります。

【画像】
遅れの列車の時分は、1~60分の間で表示となりますが、60分以上は「60分以上」のみでした。複数の列車の場合は「遅れあり」と表示し、クリック・タッチすることで詳細も分かります。

さらに、何が原因で遅延なのかなどの詳細も、ポップアップで表示されます。

【画像】
こちらはJR京都線の場合です。複々線区間のため、多数の列車が表示されています。新快速3204Mの場合を注目。

【画像】
7:49新大阪到着も停車中で良いでしょう。7:51の出発後は、既に東淀川-吹田間ですが、新大阪-東淀川間の駅間が700mと短いため、実際の通過が、表示では、次の区間となってしまうかもしれません。

更に、7:51時点、丹波路快速が表示されます。始発駅の場合は突然の表示となり、予告のような表示ではありません。3分前ですので、宮原操の車庫から大阪駅に到着した場面でしょう。

【画像】
続いて、確認をする上で、ちょっと注意する区間があります。現在の公開線区で、単線区間となっているのが、赤穂線と、この、上画像の学研都市線区間となります。

特に、木津~JR三山木間では、遠方信号機が存在する区間となり、JR三山木~松井山手間の単線区間ような、駅間での閉塞信号機がない、特殊な区間となります。

この区間は、出発信号機がある連動駅と連動駅の間で、1つの列車しか運行できない区間が存在します。(JR三山木~松井山手間は、単線区間の駅間でも閉塞信号機がある。)

このため、木津-祝園間にある西木津と、祝園-JR三山木間にある下狛は、2駅の間に閉塞信号機がありません。木津、祝園、JR三山木の場内信号機手前には、それに付属する遠方信号機により、速度抑制と連動駅場内を促している訳です。

何が言いたいかというと、西木津と下狛には閉塞信号機がありませんので、列車が駅にいるのか走行中なのかが分からない、ということになります。(但し、実際の動きを指令所では、センサー等で分かる模様)

ですから、西木津7:26発と時間通り出発も、27分、下記画像28分時点でもまだ駅の手前にいる、という表示となってしまいますので、走行位置はまだ西木津手前でも、実際の列車は既に西木津を出発した後、となりますから、注意が必要です。

【画像】
なので、西木津-祝園間の在線は表示に反映されません。西木津手前と、祝園停車中のみの表示となります。

【画像】
下狛発車後も、上画像のように、西木津と同じ要領になります。JR三山木で、列車の行き違いも可能ですので、これも表示で分かります。

【画像】
その後の動きも盛り込みました。

さて、ブラウザ上での更新は、インターネットエクスプローラーですと、手動でしょうか。当方、最近このブラウザは利用しておらず、Googleのchromeばかりですが、この拡張機能を利用すれば、自動更新も可能になります。

【画像】
chromeのAuto Refreshを利用しました。秒単位による更新も可能です。即ち、列車走行位置の更新の自動化です。これを利用すれば、瞬時に列車の動向が反映されますから便利です。間隔が短くても、見やすさ等から、20~30秒程度が適当でしょうか?
(アンドロイド上での自動更新は、当方まだ未確認です。)

【画像】その他
エリア外となる岡山支社内でも、三石、天和周辺の境部では、表示される場合があります。姫路に直通する列車は表示対象となりますが、岡山・新見行との表示にも注目です。近江今津からの福井行も同じ要領です。また、奈良線の列車は、大和路線区間のみ表示となります。

羽衣線は阪和線内で表示となります。こちらは、鳳にいるか東羽衣か、単純となりますね。

このように、端末があれば、手元でも情報が簡単に判明出来るということで、大変便利な時代となりました。

欲を言えば・・・
▼両数やのりば、扉・乗車位置の表示
▼特急列車の表示、指定席の空席、自由席の号車等
▼駅の分割併合(同じ列車でも、号車による行先の違い、例えば、近江今津分割による、12-9号車敦賀行、8-1号車近江今津行など)
▼遅延時の各駅の到着見込み時刻
▼列車番号
でしょうか。
(一部の機能はJR東日本アプリでも実現の場合があります。)

出来る所から少しずつ、機能の追加になればと思います。今後の展開に期待です。

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