【画像】阪急の列車無線系統(ピクトリアル2010-8増刊号)

近鉄はこちらで既にまとめています。

2017-8-14掲載開始

続いて、近鉄以外の関西大手私鉄4社の列車無線の状況を、言える範囲で、簡単にまとめます。

関西私鉄で共通なのは、列車側10W、基地局中~大出力、アナログ方式です。関東のようなほぼ全線LCX、小ゾーン、小田急やメトロなど、一部デジタル化ではありません。


▼阪急
アナログ大ゾーン方式となっており、3線区(神戸、宝塚、京都の各線指令)で、周波数がそれぞれ割り当てられています。1970年の万博の開催時点で、既に列車無線があったという、初期の部類となります。

関西大手私鉄で、列車側の無線機メーカーは、阪急以外は全部NEC製ですが、阪急のみは東芝製となっているのが特徴ですが、細かくなれば、メーカーは大日電子で、車上局防護無線と、異なる模様です。

路線毎で受話器や設定器の仕様が異なりますが、通信機本体は同じの模様です。周波数は3路線の他、山陽、能勢電の5種類となります。(市交は宝塚線周波数と同じ、周波数帳記述の、山陽周波数が能勢電と同じではなく、別々となります。<※周波数帳は間違いで、関東の東急東横線と同じ周波数でした>)

また、基地局も比較的出力が大きいため、エリア外で傍受することも、比較的可能な範囲です。

【画像】
神戸線系統は西宮北口にある、乗務区の建物に基地局があり、50Wです。出力が大きいため、ほぼ、神戸線指令エリアをこれでカバーしています。

但し、列車側は10Wであるため、六甲に受信局、神戸三宮(0.1W)、宝塚LCX(1W)、梅田LCX(0.001W)の他、冒頭画像の図にはありませんが、中津LCX、十三LCXが存在する模様です。受信で難がある、沿線端のエリアを補充する形となります。

【画像】
宝塚線系統は、以前は池田駅近くにある、阪急が持つビルの屋上【画像左】にありましたが、最近の設備更新により、石橋にある、保線関係の建物の屋上に移転【画像右】となっております。

こちらも、50Wと、ほぼ、宝塚線指令エリアをカバーしていますが、やはり、沿線の両端、宝塚LCX(1W)、梅田LCX(0.001W)、中津LCX、十三LCXが存在する模様です。

移転により、高さが低くなりましたので、受信に多少の影響かと思いましたが、豊中周辺は伊丹空港が存在するためか、それ程の大きな建物が周辺ではありませんので、意外と届くようです。

【画像】
京都線系統は、こちらも、以前は正雀駅近くの変電所屋上にありました【画像左】が、これがなくなり【画像中】、正雀車庫の構内にある、教習所上の屋上に移転となっています。こちらも、最近、設備更新があった模様です。

こちらも、50Wと出力が大きいですが、正雀の場合は、高槻市以南、千里線を含むエリアを賄う感じです。京都方は、西向日駅近くの変電所の屋上に、25Wの基地局が存在します。

この他、北千里(0.1W)、千里トンネルLCX(0.1W)、長柄付近を含む天六(3W)、京都地下線LCX(20W)の他、正雀と西向日の中間、新幹線と並行する区間(上牧-大山崎)の上り線側に、LCX(20W)と、高槻市(0.1W)、梅田LCX(0.001W)、中津LCX、十三LCXとなります。

沿線が長いのと、中間に天王山があり、一つの局では難しいためか、基地局の数も多いことになります。


これら、3路線中でのゾーン区分はなく、1つの路線で1ゾーンとなります。

【画像】列車側

で、列車側は10Wですが、列車の呼出符号「コールサイン」の札があるのが特徴です。画像右の「はんきゅう356」がそれです。画像中の「のせでん203」は、過去に能勢電対応の阪急車がありましたが、現在は掲出がなく、能勢電車の阪急対応車に掲出があります。

阪急の場合、各列車の出庫点検時に「開局試験」が存在しますが、この時、このコールサインを使って、通話試験を行う、ということになる模様です。

また、夜間の保守作業時も列車無線を利用する場合が多く、更新頻度が比較的多い模様です。

【画像】
左:神戸線の場合、現在は乗り入れませんが、最新型の壁掛けタイプでも、山陽側の周波数に対応。壁掛けでの新しいタイプ。
中:宝塚線の場合、能勢電対応車は能勢電側の周波数に対応。古いタイプ。
右:京都線の場合、市交の周波数と復信(電話と同じ仕様、これ以外は半復信)に対応。古いタイプ。

コールサインは、線区によって、ある程度番号区分がある模様ですが、特に神戸線-宝塚線での所属替えの際、線区によって無線機の仕様が異なりますので、無線機の交換が必要となります。この時や、無線機の取替の際、コールサインの番号が頻繁に変わる場合があります(阪急以外ではコールサインは滅多に変わらないが、阪急は変わる場合がよくある)

【画像】
京都線の場合、市交対応で「緊急」のボタンが目立ちます。また、このような免許関連の表示もあったりします。何れも、中間運転台の貫通路の場合に撮影。

【画像】
左画像、市交車の場合は、無線機が2台存在し、阪急側、市交側とそれぞれの模様です。コールサインも「ちかてつ727」と区別されているのが分かります。(※堺筋線内は市交側の指令)

右画像、阪急線内の場合、「チャンネル切替」で、各線区の周波数を手動で切り換えることになります。特に、神戸線-京都線直通列車の場合、十三9号線で切り換えることになります。(その都度開局を行う模様です)

天六での京都/市交切替は、無線機では操作せず、線区切替スイッチで一斉に切替(ATS/ATC、列車無線、加速度など)です。

但し、京都線車両の場合、こうしたチャンネル切替は、7300系(9300系は未確認)のみの模様です。

具体的なな内容までは、法律の関係もあり、具合的な内容が言えず、これ以上言及できないのが残念ですが、傍受そのものは違法ではありませんので、レシーバーをお持ちの方は、まずは聴いてみて下さい。

神戸線と宝塚線は、6,18時丁度だったと思いますが、時報が存在します。(京都線の時報はない)

【画像】京阪の列車無線系統(ピクトリアル2009-8増刊号、一部改変しています)

▼京阪
京阪は、本線系統は中ゾーン方式ながらも、全線1ゾーンとなっています。阪急と比較しても、出力が小さい分、各地に基地局が存在します。

大阪側から、中之島LCX(10W)、北浜LCX(10W)、京橋(10W、ホテル京阪の屋上とみられる)、寝屋川(10W、川側保線基地)、香里(5W、光善寺付近の変電所)、枚方(25W、教習所屋上)、淀(10W、車庫内)、中書島(10W、列車区屋上とみられる)、深草(10W、山側)、三条LCX(10W)となります。

【画像】
左:淀車庫川側にある淀局
右:中書島の列車区屋上とみられる局

【画像】
列車側は10W、NEC製で、画像は2463の場合ですが、運転台黒色の受話器が列車無線(緑色はインターホーン)となります。2400系は、通信本体が客室から見える位置にありまして、「K1064」は、「けいはん1064」と、列車側のコールサインの模様です。但し、コールサインは、通常でも滅多に利用されていない模様です。

【画像】
7200系以降に登場した車両では、ブレーキハンドルにある白のボタンを押すと、柱にあるマイクを利用して、両手を持ったまま、ハンズフリーで通話することが可能の模様です。左手はデッドマンで、走行中はずっと握りっぱなしなため、こうしたやり方もある模様です。

京阪の場合も、出庫時の通話試験(開局)がありますが、阪急のように指令側呼び出しではなく、「けいはんねやがわ」「けいはんよど」と、寝屋川信号所と淀車庫にある通信装置で、独自の回線で、始発~6時頃の特定の出庫列車に対して行う模様です。この時、列車側のコールサインは使用されません。(指令側の通信装置が故障した場合でも、各車庫と列車側では通信が出来る、分散仕様ではないかとみられます。)

時報は7~21時の2時間毎にありますので、傍受の際の参考までに。中ゾーン方式のため、沿線外では感度が弱く、それ程傍受には期待出来ません。京阪も、業務用携帯電話が幅を利かせていますので、交信は必要最小限です。

【画像】
京阪大津の場合は、浜大津駅近く、京阪が所有するビルにあります。この他、山科~御陵間トンネル出入り口上、隧道に局があります。周波数は本線と異なります。こちらも、朝の出庫時に開局試験がある模様です。