
【画像】JR東海383系「特急しなの」
2023-7-20 17時掲載開始
新型特急車両「385系」量産先行車の新製について
ビッグニュースな「JR東海385系」の新製プレスが発表となりました。名古屋-長野間の中央西線・篠ノ井線の在来線特急「しなの」での、新型車両の登場です。
現状、383系は、6両9編成(54両)と、増結及び予備車として、4両3編成(12両)と、2両5編成(10両)の、76両が存在しますが、この車両の登場は、1998年長野冬季オリンピックを前にした1994年に、先行量産車のA1編成が登場し、1996年に量産車が相次いで新製、これまでの381系を置き換えています。
普段は6両編成基本、その都度、4,2両を増結し、列車によって、乗客の差、閑散期、繁忙期対応で、8,10両編成の運行も可能にした形式でしたが、381系では、6両または9両の長編成がメインだったため、増結をしようにも、編成を折半して9両にしたり、中間車の先頭車改造も発生(展望・非展望グリーン車の登場など)でした。
分併・増結作業を容易にするために、細かい編成が383系で生まれたのです。
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385系は、2026年、3年後の量産先行車登場となりますが、383系のA1編成と比較しても、32年、量産車でも30年の経年となり、「ライフサイクル」としては、適当な置き換え時期、設備投資となりそうです。
更に、下記にもまとめましたが「8両固定編成」の量産先行車登場で、固定編成化、増結車なしは濃厚でしょう。
在来線特急車のHC85系は、製造が一段落、予定両数の新製が一段落・完遂し、315系も、2025年度までの製造分を残す進捗、リニア車両の特需と、新幹線車両の継続した製造はあるにせよ、やはり、383系の後継車両登場は、経年を考えても、予想が出来た範囲でした。
2027年には、リニア中央新幹線が開業目標となっておりますし、中央線の美乃坂本駅付近は、リニア岐阜県駅の設置駅となりますから、385系登場、2029年の量産車登場も、タイミングとしては丁度いい時期、車両置き換えとしても相応しい時期です。
ちなみに「大阪しなの」が廃止となったのは、2016/3/26ダイヤ改正となりますが、これまでは車両運用や走行キロは、相当な累積となっておりました。
大阪しなの廃止後は、車両運用や走行キロに少し余裕も生まれましたが、6両運用に、4+2両が、特定の運用で代走可能、6両編成の予備車捻出という方法は、現在でも存在します。
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【画像】8両編成の315系
特急車も8両固定編成は濃厚か?
◆385系は「8両固定編成」のみか?
385系の特徴として…
▼次世代振子制御技術による乗り心地のさらなる向上
現状の振り子制御では、ATS-PTとみられる地上子の検出から、車輪の回転数から走行距離を計算し、カーブでの車体傾斜位置検出で、車体を振り子にさせる技術のようですが、雨天時の車輪滑走並びに空転時は、「車輪の回転数」に誤差が生じるようです。
空転で「スリップ」、滑走で「スキッド(滑る)」とは言われますが、空転は、本来の回転数を超過、滑走は、車輪が固定(固着)ですので、回転数不足となります。
これを、「ジャイロセンサ」で、車両とカーブの位置を常時監視し、車輪の空転・滑走時でも、確実に・正確な位置から、車体を振り子させ、乗り心地の向上という新技術を採用のようです。問題点解決と確実な技術の採用は、いかにもJR東海らしい「いい所」でしょうか?
振り子は、JR東海区間のみならず、国鉄時代の381系の名残から、JR東日本区間でも動作となります。
381系は、元々は、国鉄時代、長野で新製配置の車両でした。中央西線と篠ノ井線の電化による登場となるようです。
中央西線でも、現状のような洗馬-塩尻間でのJR社境が、国鉄時代の管理局境ではなく、もっと南、坂下-田立間(長野県・岐阜県境)が、長野と名古屋の管理局境目だったことも大きいでしょうか。
但し、JR社境による転属がこの理由ではなく、1982/11/15改正で、183,189系長野転入(上越新幹線開業)により、神領に転属(※所属の持ち替え)と、時期が異なりますが、結果的に現状「しなの」は、JR東海エリアの方が走行区間が多い(約7割東海、約3割東日本)ためか、JR化後でも東海持ちとなっています。
振り子区間は、篠ノ井線も同様となりますが、これらの歴史と基礎によって、名古屋-長野間を、高速で走行する技術となっていた訳です。私も、何度も乗車、利用したことがありますが、現状でも乗り心地が良く、快適です。

【画像】4+2+2で運行する383系しなの
走行キロの多い6両編成に対し、4,2両編成は増結車主体だったため、走行キロは比較的少なく、時々、6両編成整備や走行キロ調整を兼ねて、特定の運用でこうした編成が運行でした。
▼安全性の向上
HC85系で採用した安全設備や、防犯カメラの展開と、最近の新型特急車両で仕様となった設備の展開となります。
他にも、プレスにはありませんが、新幹線N700Supremeなどの技術やら、乗客サービス面では、コンセントまたはUSB接続、Wi-Fiの設置にもなるでしょうか?
グリーン車は現状、2:2の腰掛配置ですが、1:2にするかなども注目でしょう。
▼ホーム柵対応
中央線部分の名古屋駅で、2025年目途に7,8番線での設置、他にも、金山、千種、大曽根の整備となりますが、やはりといいますか、車両側でもホーム柵対応のようです。315系同様、定位置停止装置も新製時から設置とみられます。
設置時期が早い名古屋駅は、先行で、385系にも対応とみられますが、383系は、現状では7,8番線の入線はなくなりました(2021/3/13改正までは、到着で名古屋7番線のみが存在した)ので、ホーム先設置が先でも、特に問題ない範囲でしょう。
金山、千種、大曽根のホーム柵は、恐らく、385系に全て置き換わった段階とみられます。特に、特急が停車する千種は、その可能性があるでしょう。2030年度までとなりますから、そうなりそうです。
385系の車体長で315系と同じとするなど、仕様を統一、315系は20m10cmの車体長となりますが、383系は、中間車が20m80cm、先頭車は21m91cm5mm~21mと、バラツキがありました。
多少、車体長が短くなりますから、定員維持・増などで、基本編成を6→8両化増も、一定の理解は出来ますかね。


【画像】
左:2005年当時は「大阪しなの」も存在だったため、JR本州3社を走行する在来線特急でもありました。
右:名古屋方先頭車は必ずこの先頭車で、自由席から展望が出来ないという訳でもありませんで、少しは展望出来ましたが、間がデッキでした。
▼前面展望を両先頭車に確保し、四季を彩る自然の景観に恵まれた中央本線を味わう旅を演出
現状は、1号車のグリーン車が、前面展望車となっておりました。4両編成(A101~A103)も、4+2両運転時は、可能な限りは展望可能でしたが、これを、385系では両端先頭車にするとあります。

385系はプレスに、先画像のようなイメージ画もあります。
現状、383系と、最新特急車のHC85系を足して割った感じですが、「両端先頭車に展望」となれば、現在のような、分割併合・増結は想定していない気配も感じます。
更に、量産先行車は8両1編成とありますから、385系は、量産車を含めて、315系と同じ「8両固定編成」になるのは確実ではないかとみられます。
閑散期では過剰輸送、一方で繁忙期では、現状最大10両編成が、8両に減車となりますが、特に混み合う列車の前後に、臨時列車で輸送の補完・補足に変わるものとみられそうです。
製造両数の詳細はプレスではありませんが、385系は8両固定編成、増結なしとして想定します。
まず、実際、2023/5/3のゴールデンウィーク時は、383系は76両のフル稼働で運行でしたが、8運用存在する定期列車運用で、6両8編成に他、増結用で4両2編成、2両5編成という具合でした。1運用はどうしても6両のままで運行となります。
残りの6両、4両各1編成が、松本、白馬と往復だけの「臨時しなの」として運行となった訳です。
臨時列車も、381系が6両2編成あった頃は、6両9運用、9編成フル稼働に、増結もフルの上、381系「しなの」でしたが、最後まで残った381系が廃車後は、ずっと383系のみとなります。
大阪しなの廃止で、車両に余裕が出来たとは言え、最繁忙期は依然と、指定席満席、混雑の傾向だったようです。
仮に、385系でも8運用維持ですと、8両×8編成=64両となります。臨時2運用も8両化ですと、更に16両、合計80両分となります。臨時2運用が、閑散期では予備車相当分としても、385系は、383系よりも少し、車両数が増えるのは確実とみられます。
結局、385系は、製造両数は80両か、予備車や臨時列車の運行で少し余裕を見て、予備3編成にして、88両のどちらかでしょうか?
両端先頭車の展望化ですと、両端先頭車は「グリーン車」の可能性があります。近鉄特急「ひのとり」のような、両端先頭車がプレミアムという感じでしょうか?
指定席や自由席も、プレスの言及はありませんが、JR東日本区間に影響して、座席上にランプを設置して、座席表示がある全車指定席(座席未指定券)化か、現状通り、2両程度、自由席を残すかも気になります。当方としては後者とみられますが、前者の採用も、「えきねっと」対応、東日本区間の車掌1人乗務化を含めて、可能性としては予想出来ます。
最も、座席ランプなし、車掌の端末だけで対応とる方法もありますから、やはり、後者でしょうか?
臨時列車の8両化は、予約座席も大きくなるのは確実ですし、大糸線も9両までの入線は可能ですので、「白馬しなの」も可能ではあります。
予備2~3編成で問題ないでしょう。やはり、3編成あれば、1編成が閑散期の名古屋工場入場でも、予備車に余裕がありますが、やはり、ギリギリ2編成の予備でしょうかね? 予備1は、閑散期、入場車が発生すると、予備車がなくなりますので、厳しい感じがします。現実に、予備2は確実だと思います。
ちなみに、383系の号車の位置は、現状、315系と、松本駅での「特急あずさ」とでは逆転(長野方1号車)でしたが、固定編成化となれば、長野方が8号車、名古屋方が1号車に変更させ、315系と特急あずさで、号車を同じ向き、統一にさせる可能性も予想出来ます。

【画像】2029年頃、名古屋駅の景色は大きく変化する…。
(※現状この位置から撮影は不可能ですが、当時は可能でした)
◆量産先行車は2026年度
HC85系でも、量産先行車を登場させ、試運転後、量産車の製造と、充分な時間を経た車両の開発・新製となってますが、既に、現状383系でも、新型台車の取替で、日本車両に入出場、試運転の動きはありました。
これにより、383系は置き換え、廃車となるでしょう。量産車はまだ6年先の話ですが、既に、383系車両で、座席の経たり、客室壁面の老朽化などは感じてました。383系で採用されている、製造中止による床下機器類の影響もあるでしょうか?
次世代車両の登場で、中央西線、特急「しなの」は、新たな時代を迎えることになります。
今後の、詳細な仕様の決定、どの程度の車両が新製・新造されるかは、楽しみですし、引退する383系も、そろそろ今の内から、撮影、そして、利用・乗車そのものも有ではと思います。