
【画像】特に動向が気になる中国地方のローカル線(駅すぱあとから)
2022-4-12 23時掲載開始(予約)
ローカル線に関する課題認識と情報開示について
以前、広島駅を出る芸備線始発に乗り、三次、備後落合、新見、津山、佐用、姫路と、高速道路で言えば、ほぼ中国縦貫道のルートに沿う形で、私、乗車を果たしていました。
調べますと、2000-1-6だったことが分かりました。もう22年前、20代になった頃です。当時の行路を、当時の時刻表を押し入れから引っ張り出して、まとめます。
広島6:00-856D-三次7:53
三次8:16-352D-備後落合9:21
備後落合9:22-444D-新見10:36
新見13:24-862D-津山14:53
津山14:55-2832D-上月15:45
上月15:53-姫路17:11
順調なルートも、新見で3時間近くの待ち時間があり、この間、新見の駅で「特急やくも」の撮影をすることもなく、ただひたすら駅の待合室にいた記憶があります。当時はデジカメ時代でもなく、ツイッターもなく……でしたし。
当時の芸備線は「急行ちどり」「急行みよし」「急行たいしゃく」という速達列車がありましたが、キハ58、キハ28の時代です。
ちなみに、1/3は福山発、以降福塩線、三江線、松江泊、1/4は松江から木次線、三次から急行ちどりで広島入り、その後宇部線方面へ行き宇部泊、1/5は可部線(三段峡)で広島泊、で、この6日と、まあ兎に角、中国地方のローカル線を乗りまくっていたようです。私も若かったんですかね。恐らく時期的にも、18きっぷの利用だったと思います。
今、上記の同じルートですと…
広島5:43-1802D-三次7:31
となりますが、これ以降、接続列車が既になく、13:02発の356Dまで待つ必要となりました。ですから、広島が11:05発でも問題ないということになります。
三次13:02-356D-備後落合
備後落合14:37-444D-新見16:01
新見16:54-864D-津山18:31
津山19:30-2836D-佐用20:31
佐用21:30-878D-姫路22:45
こんな具合となります。
姫路の到着が遅くなりますが、何とか新快速は京都までは存在します。
芸備線の急行は快速の格下げとなりましたし、備後落合の前後の本数も、2000年当時より減っています。備後落合14時台は、木次線も含めて比較的接続は良好ですが、その他の時間帯がまるで接続が考慮されていません。現地泊もホテルは乏しく、キャンプセットや寝袋持参で、野宿をしてまでの強行軍か、折り畳み式自転車持参、それか、14時台の列車に絞る方法でしょうか。
ですから、当時よりも、中国地方のローカル線完全乗車は、ハードルが比較的高くなっています。
個人的には、若い自分に、多少のお金や体力で無理もありましたが、当時、JR完乗を多治見駅で果たして良かったと思ってます。若い時の経験により、その後開業した新幹線や新路線が現在でも未乗も、後悔はなく、とても大きいです。

【画像】早期に導入されたキハ120
言い替えれば、投入線区はローカル線としては厳しい路線ばかりという。
◆ローカル線の役割は終えたのか
特に、中国地方のローカル線は厳しいでしょう。
三次から備後落合に行く列車は、2000年では8列車、逆が10列車存在でした。「急行たいしゃく」を含んだ本数です。これが現在、4、5列車とそれぞれ減ったことになり、半減となります。
14時台の備後落合以外は、事実上「接続で厳しい列車」となります。強いて言えば、三次17:30-362D-446D-新見21:36着、ここから伯備線で岡山、米子へは、辛うじて普通列車がそれぞれある程度です。
福塩線はもっと厳しくなりました。2000年では、府中以北の列車が10(北行き)、9列車(南行き)と臨時列車も含めて存在でしたが、現在は5、5と半減です。昼間の運転がほぼ皆無なため、朝夕だけという具合です。
木次線は、備後落合に行く列車が各5列車、おろち号を含んだのが2000年当時、現在は3列車のみです。
三江線は既に存在しません。
バスで、「免許維持路線」というのが存在しますが、鉄道の「免許維持路線」という具合にまで、列車本数が減少してしまい、大量輸送からは遠ざかっています。仮に数人の地元民や高校生が乗ったとしても、もう既に、バスでも間に合ってしまう輸送量ということになります。
冒頭プレスでも、殆どが2000人/日未満の輸送量となります。列車本数の減少は、余計に乗客の利用が減少し、悪循環と言いますか、「利用したくとも不便」という実情でしょう。
福山-三次は日に3本ながら「きんさいライナー」という高速バスが、広島-三次はもっと本数があり、「ローズライナー」という高速バスが、日に20本はあるようです。私も仕事で行くことがもしあっても(殆ど出張もないが)、広島駅から高速バス利用になりそうです。
2000年当時でも列車本数が少ない現状でしたので、元々、陰陽連絡とか、本来の目的での輸送は乏しかったんでしょう。陰陽連結は伯備線で存在も、伯備線自体も、曲線に振り子電車で2時間は掛かる現状です。
そういった意味では、「やくも」「サンライズ出雲」「スーパーはくと」という特急列車は、乗車券の他、特急券・寝台券・グリーン券など、料金収入や、乗客単価は多くありますから、まだマシも、その他は乗車券や定期券、回数券だけとなります。定期券収入がなければ、役割は終わったという目安にはなります。
青春18きっぷシーズンでは、乗客人員は稼げますが、収入という面では乏しいため、いずれにしてもじり貧という現状でしょう。サンライズ出雲と、芸備線、姫新線が新見で接続は、ダイヤでは全く考慮されていません。
ですから、「ローカル線の役割」という面では、中国地方では、既に果たし終えた感じもあります。並行する高速道も、中国道を軸に、鳥取道、米子道、松江道、浜田道と、高速道が段々と出来てきています。
岡山道、尾道道、広島道と、中国道を南北に結ぶ高速道もあり、東西で山陽道、真ん中東西がこの中国道、まだ未完成区間が存在も、北部は山陰道と、「陰陽連絡」は、既に高速道に変わった感じで、その役割も、車や高速バスになったといえます。
山陰線も、山陰線回りより、「スーパーはくと」のルートが早くなるため、山陰線でも乗客減が顕著です。福知山管内も、京都縦貫道が、車を運転しても余りにも時間が早く、また、実際に最近でも利用もありましたが、家から家が直接と、便利すぎます。
JR西日本も、子会社で西日本JRバスがありますし、この他、民営のバスでも幅を利かす区間といえます。高速道の進展により、鉄道の補完・移行も出来るということになります。
マクロの視点では地域輸送となりますが、既に列車本数が少ない区間ですから、路線バスでどうするかというところでしょう。高校生の通学も、備後落合や木次線、福塩線府中以北では、その本数も少なすぎます。これもスクールバスや、単車の通学許可等で補完もでしょうか。
せいぜい、中国地方で鉄道が残ったとしても、福塩線で、福山-府中間、芸備線で、広島-三次・塩町・備後庄原間が現実的でしょうか。
そういう意味では、サンライズ出雲も登場から24年が経過していますので、もしローカル線で廃線区間が発生でも、後継車両登場で、東京直通の寝台列車は維持して欲しい所です。これもなくなれば、伯備線ですら輸送量や収入で厳しくなるでしょう。

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◆近畿圏は大丈夫だろうが…
近畿圏でも関西線と白浜-新宮間が厳しい状況ですが、既に227系、キハ120で、車載のICOCA対応がされており、この設備投資の影響も多少はあるのではと思われます。
特に227系は新車の配置であるため、和歌山線や桜井線を含めて、新車投入コストや減価償却等のコストの影響でしょう。このコストが省令検査以外ではない、105系時代でどうだったのかも気になりますが、当時の情報は公開されていません。
恐らく、近畿圏は大丈夫でしょうが、コロナの影響が大でしょうか。
関西線では、前後が電化区間ながら、DC区間となりますが、車庫が亀山派出、乗務員も亀山であるため、これらを奈良に統合させることによるコスト削減の余地はまだあります。DD51の亀山配給も、奈良線の単独回送で向日町操までは削減が出来ます。
幸い、関西線のダイヤは1時間に1列車、伊賀鉄・草津線・東海の接続列車でも、恵まれた方だと言えます。それでもこの輸送量・現状のようです。
関西線非電化区間の指令所の機能も以前は亀山でした。これは、国鉄時代の名残(天王寺管内が関西線・紀勢線だった)で、草津線と東海区間もでしたが、現在は既に大阪・東海管内も既に名古屋に統合されています。
キハ120の配置も別々の必要性もなく、乗務員も併せて、メンテナンス人員も揃っている、奈良支所の統合で何かと都合がいいと思うからです。
紀勢線も高速道路の進展が著しく、高速道で紀伊半島一周が出来てしまいそうな勢いです。「特急くろしお」も、283系の振り子も調子がイマイチで、287系、289系により、所要時間が増大したのも影響でしょうか。
東海区間の紀勢線は、HC85系による車両の置き換えもありますが、こちらもじり貧ではないかと思われます。係数は公表されていませんが、東海道新幹線の収入で補える状況も厳しいでしょう。
また新宮へは、大阪からは白浜回りよりも、近鉄特急で松阪、ここから「特急南紀」の方が、時間が早かったりする場合があります。

【画像】「スーパーはくと」は山陰線回りよりも高速区間が多く、比較的速い。
智頭急行がなかったら、鳥取回りは今も山陰線だろうか。
◆上下分離も更に経営努力等が必要か
簡単に上下分離とはよく言いますが、税金が投入される以上、その明確な「理由」が必要となります。JRも、これまでに経営努力をやったかどうか、コスト削減をしているかどうかでしょう。
しかし、自治体もそれ程の余裕はどこもありません。どの自治体も財政は苦しいです。借金がない自治体を探したいほどです。
東証上場企業の民間企業に税金投入となりますから、余計に必要かと思われます。配当はコロナ後でも何とか出来ているようですが、株主優待も、運賃と料金が5割引きでいいのかということにもなるでしょうか。
そして、線区によっては、第3セクター転換なども出てくるでしょうか。小浜線は特に好都合な路線とも言えます。北陸新幹線敦賀開業後は、現在の金沢支社管内である小浜線は飛び地となります。
このままJRが経営ならば、ひとまず、小浜線を福知山に移管でしょうか。
現状、東舞鶴で乗り換えがありますが、支社が異なるためか、ダイヤも支社間で調整ではないかと思います。京都方面の「特急まいづる」も、輸送上の問題もでしょうが、大人の事情も多少感じられます。同じ支社の管内ならば、制約もなくなるのではという感じもします。
北陸新幹線敦賀開業後で、敦賀以南の近江塩津までは、確実に金沢支社から近畿エリアに移管でしょう。ここから先の新幹線の新大阪延伸は、小浜回りが有力ということもあり、小浜線も何れは「第3セクター転換」となる気配がします。
◆JR北海道ほど駅の廃止が少なかったJR西日本
JR北海道は、利用が極端に少ない駅は廃止、または信号所化されるなど、何とかコスト削減で、路線を残す努力も、札沼線での廃線も記憶が新しいです。
JR西日本は、北海道ほど駅の廃止が殆どありませんでした。まず、路線の維持を優先させ、極端に利用が少ない駅は廃止するという方法もでしょうか。廃駅発生により、通過駅が増え、全体の所要時間という意味では短縮となります。
◆独自の運賃制度も
ローカル線は「地方交通線」という、やや割高の運賃となっていますが、北海道・四国・九州会社は既に、運賃が会社で異なった方法となっています。運賃制度も実に複雑で、殆どは国鉄時代からのため、時代と実情に合わせた、新しい運賃体系や制度も必要でしょうか。
◆ローカル線でも都市線区のような保安装置は必要なのか
近畿圏ではATS-P、デジタル列車無線と、保安装置や通信機器が更新されていますが、ローカル線ではATS-Pも必要ありません。むしろ、このような時代、ローカル線にあった、新しく、簡便、信頼もある上に、運行コストが安くなる、新しいシステムも必要だろうと思います。
和歌山線でそれをやろうとしていますが、技術の変化は目覚ましく、携帯電波で5Gの利用など、見直しの上で、新しい保安システムを導入検討するようです。既に227系はその車両対応となっています。
ATSでもSW型でも充分というより、SWでも必要な線区ということか、ということでしょう。地上子も量産品ではないようですから、安い価格ではないでしょう。
JR東日本のローカル線区では、列車無線設備はなく、衛星電話、携帯電話で通信を補完するやり方も既にありますが、本当にローカル線でも、本線並みの設備投資とその費用が必要なのかどうか、という点にもなってくるでしょうか。
極端な話、始発から終点まで列車は1つだけにして、折り返し運転、信号なし、他の列車は一切入れない、簡単な閉塞方法でもいいのではないかという点です。
信楽高原鉄道はこの典型例でしょう。貴生川の終端ATSこそは存在ですが、全線1閉塞の、軌道回路がないスタフ閉塞なため、1列車の折り返し運転しか出来ません。
また信号機が、車庫の入換がある信楽駅構内を除いて、閉塞も遠方も場内も、一切ないのです。高原鉄道は30年前に大きな事故もあり、この事故当時は、指令所もJRから継続の亀山とJR委託でした。信号システムも、監督官庁の認可を受けずに勝手に変更したという、安全を軽視したずさんな状況でした。
このような現状ですが、貴生川の場内信号が、向きが変えられて使用停止の状態でも、鉄道としては今も動いているわけです。それでも、充分な輸送量という現状で、14.7kmという路線の短さもあり、1時間に1本という時間帯もあります。
中国地方のローカル線も、極端な話、ここまでコスト削減をしてまで何とか路線維持をさせ、それでもダメだったら廃線と、廃止までの可能な限りのコスト削減、段階を踏むという方法も必要でしょうか。
正直、閑散区間のローカル線で、CTC/PRCという運行管理システムも不要で、タクシーやバスで使われているGPS機器の活用でも、指令所での位置は分かります。行き違いも極力なくし可能な限りの1線スルー、途中の沿線で特に必要なのは、踏切のシステムだけにするのです。
◆国の省令緩和等
国も鉄道は公共の財産として考え、維持させるような制度、税制の緩和、省令の緩和等も必要だろうと思います。鉄道の維持を国の制度を守るという考え方です。
法律や税制、制度は、当方では不勉強な所も多くあり、既に存在かもしれませんが、持続可能な鉄道路線といいますか、国の制度としても鉄道会社で優位・最善になるような政策となります。
別な形、鉄道会社がローカル線で光ファイバー網を敷設したら、税制で負担減とか、有利になるとか、そういう制度でもいいと思います。
◆それでもダメだったら廃線しかない
それでも輸送状況や営業収入に改善が見られなかったら、役割が終え、廃線の理由にもなるでしょう。個人的には、すぐに廃線ではなく、その前に出来ることや、段階を踏んだかという点でしょう。