15-05-20-01
【画像】ホーム増設工事中の高槻駅上りホーム
増設ホームに側線がありましたが、これを撤去して増設となってます。2016/3/26のダイヤ改正から使用開始。

2022-6-17 17時掲載開始

6/15 15時頃の信号トラブル以降、16日も終日に渡って、高槻駅から京都方面での上り内側線が使えなくなりました。原因は、高槻駅の出発信号機だった模様です。

当方が気が付いたのが、15日23時頃と遅く、また現地にも行っておらず、ネット上の情報だけです。

これにより、上り内側線が使えないことになりますが、同じ位置にある入換信号機は使えたようで、上りの普通列車、高槻までは運行出来ていたようです。派出所や折返線の入換は問題はなかったようです。
22-06-17-02
【画像】簡単な配線図 向日町はキロは520Kとなります。
向日町ライブカメラはこちらです。画像の位置や向きとなりまして、向日町操での下り出発列車もライブで確認出来ます。


実際の運転も、高槻から、上り内側線を通る「快速・普通」は、上り外側線を通るルートだったようです。

このため、4ドア車である207系321系は、3番線で高槻止の上、折返し下り列車、以遠は2番線だけ快速列車だけ扱って、島本→山崎→長岡京→向日町は通過、向日町で、京都方にある渡り線で所定の上り内側線に転線、だったことになります。

島本は、2008/3/15開業時から、外側線のホームがありませんので、必然的に通過となります。桂川も2008/10/18開業時から同じです。

山崎、長岡京、向日町はホームがありますが、柵があります。これは非常用途となりますが、今回のようなケースでも柵を開放することはなく、そのまま通過となった模様です。

で、桂川で始めて乗降扱い、高槻から桂川まで、特に16日は終日通過となった訳です。山崎・長岡京・向日町の上りホームは、立ち入りすら不可能だったようで、同駅の利用者は、桂川や京都で折返し乗車という、面倒なことになりました。

(同時に、阪急京都線等での振替輸送も、16日は終日でした。)

鉄道ファン 2022年 08 月号 [雑誌]
交友社
2022-06-21


鉄道信号技術
オーム社
2020-11-26



16-01-28-02
【画像】長岡京駅

◆外側ホームの非常柵、実は4ドア対応?
非常用の柵ですが、安全優先か、開放することもなかったようです。

長岡京でも、朝ラッシュ時にある長岡京だけ停車する快速も、外側線ではなく、内側線走行だったようです。京都からの普通列車も本数が減っていますし、内側だけでも問題ないダイヤだったようです。

上記画像は長岡京駅、これを見ても、サイズから、4ドア対応なのでしょうか? しかし3ドアも、中央扉以外では可能となります。外とこれも原因で、「山崎・長岡京・向日町」は通過扱い?




◆内側-外側と転線するポイントレールが限られる

この、内側-外側と転線するポイントレールは、向日町まで行かないとない配線となります。内→外は長岡京でも存在しますが、これは内側から(へ)の、向日町操出区・入区用もでしょうか。

従って外→内は、向日町までとなりますね。

草津-吹田間では、配線図を持っておりますので、ここからの引用ですが、複々線が始まる草津からでは、まず膳所で、下り内→外、上り外→内となります。貨物列車で待避することがありますから、この関係でしょうか。

次の山科、下り外→内、上りは内→湖西線のみです。

京都は主要駅ですからどのルートも可能、続いて向日町、上述の長岡京、そして高槻となります。茨木は、下りはどちらも可、上りは内→外のみでした。

吹田から兵庫までは配線図がありませんので推測ですが、新大阪、大阪、尼崎、芦屋、灘、神戸、兵庫でしょうか。

元々本線系統の複々線も、東京の山手線と京浜東北線の並行区間のように、どちら一方の線路が支障した場合、もう一方の線路を走行することは、現在もままあるようですが、この複々線では、そういうことは滅多にありません。


12-03-11-1010-04-20-11
【画像】3ドア223系と、4ドア321系

◆車両で異なるドア数の違い
内側線を通る普通は、国鉄103系時代から4ドア、これが現在も、207系と321系で継続ですが、快速と新快速は3ドア車のため、ロープやホームドアなどのホーム柵では差異が発生しています。

このため、大阪駅6/7番、高槻駅3/4番では、4ドア車のみの入線に限定されています。ホームに余裕がある駅だからこそ、専用化となっています。設置当初は、大阪駅7番に誤って223系を入線させた事象もありましたが、今はそんなことも殆どなくなりました。

他の駅、京都、六甲道、三ノ宮、神戸などはロープ柵となります。

また、高槻駅2/5番は、1/6番ホームの増加で、3ドア限定のホームドアとなってます。この、高槻駅2番が3ドア限定のため、4ドア車がそのまま京都方面に行けなかった理由の一つとなります。

この制約も、多少影響したのは確かだと思います。

将来的には、通勤車も323系のような3ドアになるだろうと思われますが、最新の321系も2006年12月製造と、車両もまだ新しいのと、207系もリニューアル・機器更新で継続や、これも進捗途上のため、当分はドア数が混在のままでしょう。4ドア車を他線区に転用をしてまで3ドア車導入も、今の所現実的でもありませんし、優先順位も低いでしょう。

2022/3/12ダイヤ改正で、207/321系運用は、100→96運用には減っていますが、まだまだ運用数は多いです。
将来的には、車両のドア数統一は理想的ではあります。


◆桂川の接続で難があった模様だが…。
大阪方面から、高槻から快速で桂川、ここから下り列車に乗り換えて、向日町、長岡京、山崎、島本と折返し乗車で迂回となった訳ですが、この桂川での上り→下りの接続で難があった模様です。

上り列車の時刻表は、10~14時では0-15-30-45発と1時間に4本のみとなります。ところが、下り列車の時刻表を見ても、0-15-30-45発と、ほぼ同じなります。

上り快速は、昼間では、所定で山崎付近で、新快速が先に通過となりますが、高槻駅の時刻を見ても、昼間で、快速の3分後に新快速なため、快速は新快速の発車を待った後、出発したようです。

このため、快速は4~5分程度の遅延となります。桂川到着もその分遅延となり、桂川の下り列車接続も外れることになります。下り列車は上り列車とは接続せず、所定のままだったようですから、桂川で10~11分も時間のロスとなります。

下りで接続すれば下りも4~5分遅延となりますが、このあたりは、「下り列車も遅延の上、上りとホーム伝いで接続すべき」「下りは所定で、そのまま10分程度待つか」は評価の割れる所といいますか、難しい問題といえます。

個人的には接続は有も、下りの遅延は、「高槻駅と関係がない遅延列車の発生」も確かで、不接続はやむを得ずもでしょうか。

16-01-28-01
【画像】長岡京から京都方面
一番右は向日町操の下り出発線、短い区間に多数の信号機があります。

◆どうしてこんなに信号トラブルが長引いたのか
まず「そもそも論」、信号トラブルが長引いた原因でしょうか。原因が分かりませんから、なんとも言えませんが、レール破断、配線の切断(ねずみのかじり)や焼損、トランス、インピーダンスボンド、短絡、絶縁不良、そもそもの信号室での不良、色々と予想は出来ます。

この情報公開といいますか、顛末の公開でしょうか。

最近は半導体不足も色々とありますが、部品の交換で予備品がなかった場合は、問題といえます。何かあった場合の予備品は、こういう現場では、何種類か用意されていると思われるからです。

以下、京都新聞の記事は具体的な記述でした。以下、記事引用。

「JR西によると、15日午後3時35分ごろ、高槻駅の京都方面行き普通、快速電車が停車するホームの信号機2基の表示が赤色から変わらなくなった。信号制御システムの特殊な機器を東京から取り寄せる必要があり、16日始発までに復旧が間に合わなかったという。」

要するに、予備品自体が東京から取り寄せたという結果、予備品常備、また汎用品ではなかったようです。特注と言いますか、余程の特殊な機器が故障だったのでしょうか。


◆代用閉塞で運転再開は可能だが
または、信号機が赤のままでも、次の信号機まで、そのまま進入出来る代用手信号とか、代用閉塞(この場合は指導通信式となるらしい)の実施とか、本数は少ないながらも、可能な限り、上り内側線で運行を継続する方法も出来なかったのか、その疑問はあります。

但し、人員の問題はあるでしょう。代走閉塞を扱える係員となります。続いて、列車本数の問題ですが、見合わせ区間は、昼間は15分に1列車のため、余裕はあります。

高槻と、次駅の島本にも係員を配置させ、基本的には1駅間1列車、列車は、紙の指導券(タブレット)を持たせることで、同区間の走行の許可証代わりとなり、これを高槻で交付、島本到着時に回収となります。添乗者を高槻→島本間に乗車でその代用も予想出来ます。

回収は電話などで相互確認、次列車の指導券交付が可能という段取りです。
17-11-04-01

【画像】通告券の例(神戸高速鉄道)

代用閉塞で「可能な限り運転を継続」か「完全復旧までに何もしない」となりますが、JRは後者を選択した模様です。特殊な部品とその取替も、終電発車後の深夜を待ったことになります。17日始発からは平常運転でしたね。


今回は上りの内側線でしたが、外側線だった場合、もしかすると、もっと影響が大きかったかもしれませんね。普通や快速は問題ないも、長距離の貨物列車や新快速で影響があったことでしょう。


しかし、鉄道の輸送障害は、利用者としても厄介ですね。時刻通りに列車が運行する有り難さも実感ですが、同時に、今回でも、輸送障害時の課題は出たように思います。