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【画像】地上駅時代のJR奈良駅に停車する「急行かすが」
確かに奈良に来ていたキハ75、2両編成で、指定席もありました。撮影はこうして自前で出来ておりますが、肝心の乗車経験が、残念ながらありません…。

2023-12-4 5時掲載開始(予約投稿)
2023-12-7 13時加筆(最後に追加してます。)

◆「急行かすが」とは?
◆同じような輸送体系は確実も、車両…
◆HC85かキハ75のどちらかだろう。
◆制限速度の問題
◆西日本側での「ふさわしい」車両が少ない
◆個人的には実証列車の運転はやってもいい。

中日新聞が、このような報道をしたようです。JR関西線、名古屋―奈良の直通を実証運行 来秋めど、利用促進へ取り組みという話題です。三重テレビでも動画付きニュースがありますね。(鉄道ニュースも)

何でも、三重県と沿線の市町村、JR西日本が検討する会議があったようで、「2024年秋をめどに、名古屋市内と奈良県内を直通で結ぶ電車の実証運行を目指し、関係者間で協議を進める考え」とのことです。観光需要ともあります。

いわゆる営業係数は、100円を得るのに、1046円の経費が掛かるのが、関西線の非電化区間(亀山~加茂間)と記事でもありますが、現状、1両か2両のワンマン列車に、また、区間で運転する列車もありますが、大体、亀山加茂間通しで、1時間に1列車は運転される線区となります。

「乗って残そう関西線」と、ローカル線の沿線でよくある看板の通りでしょうか。

奈良から名古屋ですと、実は、米原回りよりも安く行けたりしますから(途中下車可能の2310円、米原回り3410円、但し乗車券のみ)、正直な所、ダイヤの都合が出来れば、18きっぷシーズン以外でも、私自身、時々、ここ数年は幾度か利用しておりました。亀山までは、ICOCAも利用出来ますから、交通系IC利用も便利になりました。

柘植での草津線と、伊賀上野の伊賀鉄道も含めて、亀山・加茂の接続も、ダイヤ上で考慮されており、どちらかの列車が少し遅れていた場合でも、可能な限り接続は考慮でしたので、普通列車の利用でも、そんなに苦も感じさせませんし、意外と地元乗客の利用も、「まあまあ」あるようで…。
さよなら急行かすが [DVD]
エースデュースエンタテインメント
2006-07-26

JR電車編成表 2024冬
交通新聞社
2023-11-17



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【画像】関西線非電化区間はキハ120の独壇場
左のリニューアル前、右のリニューアル後と車両も区別されますが、車両運用については、一部列車での減車もあり、予備車が2両だけだった時代と比較も、現在予備車で余裕があるようです。

加速は充分ですし、それなりに定期券利用者もいて、車内対応ICOCAとなるなどの変化もあります。(※こうした多額の設備投資費用も、多少、営業係数に影響かもしれません)


◆「急行かすが」とは?
冒頭画像の「急行かすが」は、2006/3/18ダイヤ改正で廃止となる前に、名古屋-奈良間で運転されていた急行列車となります。2005年6月時点の、当時のダイヤを時刻表から引用して、まとめてみます。

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名古屋8:55-桑名9:14-四日市9:24-亀山9:43/45-柘植10:10-伊賀上野10:23-奈良11:03(2時間8分)

202D
奈良17:16-伊賀上野17:58-柘植18:11-亀山18:32/33-四日市18:50/51-桑名19:01-名古屋19:26(2時間10分)


JRになっても、この1往復だけですが、奈良方の1号車が指定席、名古屋方の2号車が自由席となり、往路・復路でそれぞれ、2時間8分または10分で運転となります。

単線区間が存在するため、手持ちの図表も含め、正確には確認はしていませんが、途中駅での、反対列車離合による運転上の停車もあるでしょうか。多客期は、4両で運転される場合もありましたが、殆どは2両だったようです。

京都府内では、加茂と木津が通過となるため、亀山~奈良間では1時間15分程度となります。西日本区間では、亀山派出の乗務員が担当だったようで、これは現在、加茂から先の大和路線電化区間では、気動車の営業列車はありません(以前はキハ120の奈良進出も存在した)が、佐保中までですと、キハ120が、奈良支所の車輪転削の回送としては、現在も存在する模様です。

ほぼ同じ列車で現在の場合は、下記の通りです。

名古屋9:05-2301M-亀山10:07/10:14-237D-加茂11:34/43-3367K-奈良11:58
奈良16:50-3388K-加茂17:04/11-248D-加茂18:32/19:13-1326M-名古屋20:30


接続の関係と、普通列車にもなるため、往路復路共、1時間以上余計に掛かりますが、復路に関しては、奈良発が繰り上げ、亀山までは26分の差と、いい勝負ではあります。

急行料金ですが、名古屋-奈良の全区間133.9キロの営業キロですので、150キロまでの適用となり、1000円、急行の場合は自由席の利用(特急券は指定席となるが、急行は自由席となる)となりますから、指定席ですと、更に指定席料金530円、閑散期の場合は330円の加算となります。

ちなみに急行料金で、50キロまでは560円、100キロまでが760円となりまして、例えば、名古屋と奈良-亀山間は、どちらも100キロの適用となりますから、乗車券プラス760円となります。

急行として営業列車の設定がなくなった現在でも、時刻表の記載と、営業規則上での料金の設定が残り、運賃・料金の値上がりが目立つ現在でも、同じ料金のようです。

1往復設定、東海のキハ75系が片乗り入れでした。キハ75以前で、特にJR化後では、エンジンを換装した、名古屋持ちでのキハ58や、キハ65の国鉄型気動車で運転だったようです。
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【画像】南紀のHC85系運行の前に、運輸区がある亀山で研修中らしい、D202
HC85系が奈良まで運転ですと、新車のイメージと相まって、話題性にはなるでしょう。


同じような輸送体系は確実も、車両…
もし、報道のように、名古屋市内-奈良市内と直通で結ぶ列車を復活させる場合は、急行かすがのような輸送体系は、まず、確実でしょうか。こうした前例は大きいてしょう。

名古屋持ちの「キハ75系」は、現在、2両8編成存在しますが、「快速みえ」で、もう7運用分となりますので、予備1編成だけとなります。土日などでみえが増結となる場合は、車両が足りず、美濃太田のキハ75で貸出となっています。

このため、キハ75に運転は、名古屋・美濃太田を含めて、予備車や、美濃太田側の運用で捻出などの方法がありません。列車の廃止自体で運用も無くなり、既に、その分の車両がないためです。「快速みえ」昼間の留置間合いの活用も、間合い自体が名古屋ではなく伊勢市となります。

次に、「HC85系」となります。キハ85系の置き換え車両として登場し、今年度で既に、D1~D8(グリーン車含む4両)、D201~D204(グリーン車なし4両)、D101~D110(2両)と、予定製造68両の新造が終わってます。

正確な車両運用までは、HC85系は範囲外ですので調べていませんが、ネット上にある情報によれば…

D1~D8は、グリーン車を含む4両、特急ひだで、7運用存在するようですので、予備1

D101~D110は、D1~D8の増結用+特急ひだで、高山以北(富山行・発)で、グリーン車がない2両編成となる模様で、6運用存在するようです。10編成ですから予備4とはなります。要するにひだでも、乗客が比較的限られる「富山編成」のようです。

D201~D204は、グリーン車がない4両となり、主に特急南紀で使用されるようですが、南紀自体が、閑散期では2両で運転する場合もあるようで、D101~D110と共通で運行のようです。仮にD200が4編成共、南紀で運行の場合は、南紀が3運用となりますから、予備1となります。

D201~D204は南紀用も、ひだの富山編成として運行されたり、D101~D110も、富山編成が2両ではなく、2+2両として運転されることがあるようです。

D101~D110での予備車が4と、2両編成が少し多いのはこのためで、「大阪ひだ」が、この2+2両に加え、D201~D204の4両固定編成でも運転されることがあるようです。

これらは、鉄道ダイヤ情報の「定期列車編成変更情報」にも、JRから情報が公開され、詳細記事記載となります。

鉄道ダイヤ情報 2024年 01月号 [雑誌]
鉄道ダイヤ情報編集部
交通新聞社
2023-11-21


しかし、キハ85系は80両の製造(他に事故代替車両1両)に対し、HC85系は68両と、昨今の輸送体系の見直しも影響か、12両、車両の製造が少なくなっています。

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【画像】かすかに見えるキハ120と、画像中央の陸橋付近にある場内信号機が、JR東海/JR西日本の社境に。
社境を再び、東海車が超えることが出来るだろうか…?


HC85かキハ75のどちらかだろう。
HC85系で、多客期の場合は、ひだ・南紀と増結に、臨時列車の運転にもなりますから、68両がフル稼働となります。

2023年のお盆では、現にフル稼働だったようですので、2両1編成で「急行かすが」としての運行が、可能かどうかということになりそうです。HC85系ですと、実証列車の運転としては、マスコミ報道を含め話題性は充分です。

特に、「実証列車」を、特急として想定ですと、HC85系相当の車両になりますが、急行で運転復活となる場合など、これまでの走行実績を踏まえますと、ここでは、キハ75系が現実路線かな、という感じでしょうか? 平日・土休日で、美濃太田から予備車が使えるかどうかがポイントになるでしょう。

急行料金は上述の通りですが、もし特急ですと、B特急料金ではなく、A特急料金の適用とみられ、150キロまでの2390円(指定席通常期)となり、急行の1530円(指定席)比較では、860円の増収入にはなります。

乗車券が2310円(名古屋-奈良間)ですから、倍少しの支払い、片道で4700円ということになりそうです。また急行の指定席でしたら、乗車券込みで3840円に。

で、近鉄特急の「近鉄名古屋-大和八木-近鉄奈良」比較で、名阪はひのとりで乗車ですと、乗車券2710円、特急券(ひのとりはレギュラー特別車両料金含む)で1840円、合計4550円となります。

急行の運転で、710円安に対し、特急ですと近鉄の方が、少しですが150円安くなります。ひのとり以外ですと、200円(ひのとりレギュラー特別車両料金)安くなります。

時間は、大和八木停車の名阪甲で、2時間10分で想定ですと、かつての「急行かすが」が2時間10分ですので、時間はほぼ同じですが、かすがは大和八木・大和西大寺での乗り換えがない「直通列車」です。

名阪甲は、昼間を中心に、時間帯によっては「ひのとり」は大和八木通過となりますので、名阪乙「アーバンライナー」の利用ですと、近鉄特急でも、もう少し時間が掛かります。名古屋奈良間を2時間半としても、「急行かすが」は、20分ほど、まだ少し早い所要時間にはなるようです。

ちなみに、奈良交通の高速バスでは、片道3000円、往復5100円でした。4往復、片道2時間35分のようです。価格は安いですが、名阪国道経由ですので少し迂回と、名阪国道でよくありがちな、道路の渋滞や通行止も予想出来ます。私は、この高速バスの利用はまだありません。

こうしてまとめますと、「急行かすが」も、意外に移動手段としては「有」かな、と思います。


制限速度の問題
上画像での前面展望動画を見ますと、関西線の笠置→大河原間で、25km/h制限の最徐行区間が存在(クリックするとその区間)します。R300のカーブで、111のキロポスト(線路右側にある距離標)は、木津川橋梁付近ですが、関西線での最徐行区間は、上下線乗っていても、確か、ココだけだったような記憶です。他は、伊賀上野周辺では直線区間もあるなど、結構、速度を出します。

他のローカル線でもこうした制限速度の設定があり、これらは「必殺徐行」とも言われているようで、軌道の保守上の理由に、沿線の環境が最大のようです。

この区間からもう少し先、大河原駅手前付近でも、同じR300カーブがありますが、ここは制限とかは特にないようです。このような存在により、2005年当時と比較しても、2時間8~10分の「急行かすが」でも、現在では、もう少し時間が掛かるダイヤ、の可能性があります。

2006/3月改正で、かすがは廃止となっていますが、当時はそういう最徐行区間はなかったような記憶がしますので、時間の余裕を見て、実証列車の想定で、2時間20分前後でしょうか?

伊賀上野~奈良間は、廃止前でも通過扱いでしたので、現在ですと、奈良線と学研都市線の接続を含めて、木津の停車は必要かという感じもします。分岐駅通過の折返し乗車の特例も、木津-奈良間では、急行かすがの廃止と同時に除外化でしたので、通過ですと制度の廃止で利便性の影響となり、木津は停車でしょう。(規則変更の参考)

関西線非電化区間で、途中駅の通過・停車の見直しも必要、また、運転時間帯も含めて、沿線自治体、JRなどで、総合的な議論の必要も有でしょうか?

軌道は、一部区間ではPC枕木に改善されているものの、木製の枕木もまだまだ多く、更に、大雨が降って降雨規制値超過に、鹿や猪などの動物接触、倒木・倒竹も発生することがありますね。


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西日本側での「ふさわしい」車両が少ない
今までも、東海車の片乗り入れでしたので、西日本車両では、それに相応しい車両が見当たりません。特急車両ですとキハ189となりますが、急行や快速で適した気動車が見当たりません。

キハ127も、姫新線の車両運用や予備車で余裕があるかどうかになりますが、西日本・東海区間で共に必要な、このキハ127は、どうも、ATS-Pの搭載がない模様で、機器を新たに搭載しない限り、あり得ないでしょう。

実証列車の運転後も、やはり東海車、西日本は東海に、車両使用料を払う側となりそうです。


個人的には実証列車の運転はやってもいい。
キハ75も、西日本区間乗り入れ終了から、既に17年が経過していますので、キハ75の運転経験がある運転士さんは、もう、「殆どいない」のではないかと思われます。

HC85系となれば最初からですが、HC85は既に「大阪ひだ」で、琵琶湖線とJR京都線、「南紀」で紀勢線と、他の乗務員区で運転の実績はあります。既にHC85の運転が出来る乗務員が出張指導など、いずれにしても研修・試運転が必要でしょう。

ATSですが、大和路線では王寺以西がフルのATS-P区間、以東が拠点型Pの区間のようですが、東海は全区間フルPのようですから、キハ75、HC85共に、車両側の保安装置では問題ありません。非電化区間とSW区間も、車両のSW(ST)型は、車両の標記から、東海車でも残っているようです。

通信面では、加茂以西のデジタル列車無線区間も、東海車でもデジタル対応がされているため、問題はないでしょう。(※非電化区間はアナログのC型と、不感区間では異常時携帯電話で残る)

キハ75系もHC85系も、「既に、西日本区間に入ろうと思えば入れる」のは確かでしょう。

来春のダイヤ改正は、恐らく、12/16(金)の14時以降が解禁だろうとみられます。既に内容は固まっているとみられ、来春からの実証列車は、準備からしても時間の余裕がありません。

ですので、実証列車は2024年の来秋になるようですし、1往復でも、個人的には、実証列車の運転はやってもいいと思いますが、結局はJR東海・JR西日本と、沿線自治体からの税金投入次第もでしょうかね? 動かそうにもやっぱりマネー?


2023-12-7 13時加筆
日経の記事では、実証は「2日間程度運行」のようです。このため、走行実績のある、キハ75になるでしょうか? 2日程度でしたら、名古屋車両区の予備車(フル稼働)でも問題ありません。

諸経費は、税金投入にもなるとみられますが、これで、「鉄道愛好家」ばかりになるのか「実証通り」となるのは、まだ、別問題になってくるでしょうか…?

プラレール S-20 HC85系 特急ひだ・南紀
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