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【画像】泉北車最古参、3000系3509(手前4両)
1977/8/9 東急車輌製

2023-12-21 22時掲載開始

◆合併による車両の塗色変更は?
◆ダイヤは変わるだろう。
◆合併により…
◆合併は他社にも及ぶ?

連結子会社である泉北高速鉄道株式会社との経営統合に関する基本合意のお知らせ

このように、泉北高速鉄道の南海電気鉄道合併となっていますが、既に、2014/7/1で、泉北高速の株を南海へ譲渡で子会社化、以降、9300系の登場に、泉北ライナーの運転開始、運賃値下げなどと、変化はその都度ありました。

子会社化でも問題はありませんが、合併により、より、相乗効果でしょうか。当方としては、規模や経営環境など、南海合併も何れはと思っておりましたが、2025年度を目途に「南海泉北線」となりそうです。

関東私鉄でも、新京成が京成との合併もありますので、この関西版となりそうです。

いわゆる「泉北ニュータウン」は、1967年からと、歴史が長くなっておりますが、会社の設立は1965年、大阪府・関電・大阪ガスや銀行が出資した「第3セクター」の「大阪府都市開発」という会社ですが、鉄道よりも、トラックターミナルでの物流事業でした。

泉北線も、元々、南海が建設する「南海泉北線」として開業予定だった模様ですが、当時の架線電圧昇圧(1973/10/7は高野線、10/10で南海線)による、大量の車両新造と、改造もあったようです。

車両新造は……
7000系90両
7100系152両
6000系72両
6100系76両

南海線242両、高野線148両、合計390両となります。ホンの十数年で、390両の新造は、当時にしても、大型投資になります。

高野線は、その後の複線化区間拡大と輸送力増強(80年代の10両運転も含む)で、6200(旧8000,8200)系が、時折製造も、南海線は、9000系までの間、十数年間で新造車両がなく、昇圧による車両の高性能化という意味では、大型投資にはなっても、一気に新しい車両となった意味では、効果は大きかったようです。(昇圧まで、後10年掛かった京阪との差も歴然)


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更に、当時の南海では、1967年での男里川、箱作、1968年での天下茶屋と、犠牲者もある程、南海社内での「南海3大事故」が発生、昇圧による車両の新造に、補償問題、色々な経営改善・ATS設置などの安全対策強化で、南海としても新線建設に余裕がなかったのか、1969年の路線免許取得では、南海ではなく大阪府都市開発、つまり、泉北としての建設という歴史がありました。

会社としては物流で存在でしたから、鉄道事業の受け皿になります。

1971/4/1の、「中百舌鳥-深井-泉ヶ丘間」の開業からとなります。1973/12/7に栂・美木多、1977/8/20に光明池、1995/4/1に和泉中央の延伸を果たしています。

光明池延伸までに100系、3000系が登場し、冒頭画像の3509も光明池開業名目となります。5000系は、南海2000系と同じ時期に登場した、8両固定のVVVF車両、5507,5509は和泉中央延伸で登場したようです。

7000系、7020系と、100系3000系の置き換え用として、最近では、南海8300系と仕様を併せつつ、デザインが変わった9300系の登場に、泉北ライナーと、車両や列車の動きでは話題が尽きません。

元々でも、相互乗り入れで南海車両との共通化もありましたし、繋がりも多かった訳です。

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【画像】帯色から水色を消した、7525編成
現在は7503編成が千代田工場に入場しており、5503,7525,7571が変更済

◆合併による車両の塗色変更は?
これですが、塗色変更も数百万というコストのようですし、9300系投入以降で、ラインカラーの変更となっており、やや、可能性が薄い感じもします。





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【画像】個人的には、塗色変更よりも、現状通り、塗色を生かした車両運用、方面での識別は有と思う。

◆ダイヤは変わるだろう。
泉北車が南海カラーに変わると言うことになりますが、個人的には、泉北車が南海車になっても、難波-和泉中央間での限定運用にすれば、乗客も、帯の色で系統・方面が分かりますし、泉北車自体、中百舌鳥-橋本間も、紀見峠の勾配区間に乗り入れることが出来るかも、よく分かりません。

9300系は南海8300系と同じ仕様ですので、可能ではありますが、3000,5000,7000,7020と、車種も多いため、塗色変更もなく、運用上の運行区間も現状通りだろうと思われます。

例えば、運行系統で、泉北方面は泉北カラー、高野線は南海車と、車両の色で区別するやり方です。互いの走行キロの相殺なども、合併でその必要がなくなりますから、車両での色の識別で、行先の徹底です。

また、3000系車両の置き換えは、9300系の増備で継続か、南海8300系の増備にシフトかにもなりますし、南海塗色に変更ですと、それはそれで面白くはなりますが、この辺りの判断にも注目です。
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【画像】泉北ライナーの登場で「座席確保」と「収入増」にもなった。


◆合併により…
会社の合併で予想される動きです。

▼車両の予備車は共通化となるだろうか?
南海車のS車(4ドア)では、20両と運用上の予備6両、泉北車は22両と運用上の予備6両が、予備車となります。上述のように、これらを共通化させ、運用上で、泉北車は泉北方面限定、南海車は南海高野線とする方法です。予備車自体の共通化は予想出来ます。

高野線と泉北で、特急の予備車がありませんので、泉北ライナーでのラピート走行もありましたし、サザン車両の代走もありましたので、予備車の共通化、やりくり自体は既にありました。


▼乗務員職場なども変わるだろうか?
乗務員職場は、難波、中百舌鳥、橋本、泉北線と4つ存在するようです。泉北ライナーや区間急行の運行で、既に、南海乗務員でも、泉北線内の運転は存在しておりましたが、逆、泉北乗務員の南海線運転はありませんでした。色々な見直しも予想出来ます。泉北の制服は、合併により転籍となりますから、南海仕様に変更でしょうか?

この他の現業職場も、会社個別から、統合される可能性があります。特に、車両の整備・省令検査は、委託→直営となり、再度、南海千代田工場に委託という流れでした。現在、7503編成が入場中のようです。

光明池にある元々の工場は、現在、5505編成の機器更新で使われているようですので、こうした工場設備自体は、千代田工場との役割分担として、今後も生かされることでしょうか?

車輪転削設備、千代田・光明池とそれぞれでしたが、合併後では、2カ所も存在することになります。


▼別々となっている指令所機能も統合だろうか?
南海、泉北と、鉄道の運行管理機能、指令所は別々となりますが、会社合併で、南海の指令所に統合となる可能性があります。

列車無線の周波数は同じで、指令所を呼び出すコールサインで、線区での交信相手を区別しておりましたので、環境としては容易ですし、ダイヤ乱れの際の運行管理も一体化となり、色々と都合も良くなります。


▼運賃の計算
既に、定期券で値下げが見込まれるようですし、区間によっては乗車券も安くなる可能性があるでしょう。乗客としては最大のメリットがある事柄です。中百舌鳥で、梅田・新大阪と直通するOsakaMetro御堂筋線の競争もあり、運賃面でのメリット・差は、経営課題にも繋がります。

2031年度「なにわ筋線」は、高野線の乗り入れはないようですが、これをも見据えるのでしょうか?

特に、株主優待は、会社合併により泉北線内での利用も可能になるでしょう。6160株以上での「定期券式乗車証」ですと、この効力も増えます。

12/21時点では、100株単位のため、28万1300円必要(※株取引での手数料等を除く)となりますので、1株計算で2813円、6160株以上ですから、単純に、1732万8080円前後となります。やり方は、株の投資と併用するか、金券ショップやヤフオクで、十数万前後乗車証だけを入手するかとなりますが、乗車出来るエリアの拡大は、合併の効果しては、大きいと言えます。


◆合併は他社にも及ぶ?
例えば、阪急と能勢電鉄ですが、こちらは、そのままでしょうか? 地域も異なりますし、運賃体系でも阪急とは異なる個別化、沿線形態の違いもあるでしょうか。個人的には微妙なところです。

ケースバイケースと言えばそれまでですが、個人的には、泉北の「物流事業」も、南海にとっても大きいのではと思われます。合併での「旨み」と言いますか、色々とメリットがある訳ですから、こういう経営判断なのでしょう。