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【画像】三岐送りとなったLL1編成(手前3両)

2024-6-27 12時掲載開始(予約投稿)

三岐鉄道は、近鉄名古屋線の富田駅からの「三岐線」と、同じく桑名駅からの「北勢線」の2つの路線があり、後者は元々「近鉄北勢線」から、三岐鉄道化となった762mm線路幅の路線です。

一方の三岐線は、JRと同じ1067mmの線路幅となっており、JR関西線からの貨物列車が設定されるなどで、それなりに結びつきが強かったのですが、2024/3月以来からの、211系の三岐鉄道の譲渡の動きでした。

但し、三岐の会社側で、公式の発表はまだありません。事実上となります。

6/26までに、211系が3両10編成30両まで揃っており、今後の車両置き換えで大いに注目となりますが、ただ残念なことに、当方自身で三岐線の乗車がありませんでした。北勢線は近鉄時代にありますが、この影響で、撮影済カットが皆無です。一部は、近江など、他社の画像も交えながら、お伝えします。


◆車両運用について
単純に、時刻表を見ても…
保々:2
西藤原:3

この出庫数となっており、5運用程度とみられます。2013/3/17改正では6運用程度でしたので、1運用減となっている模様です。西藤原留置も、もしかしたら、保々~東藤原の回送も設定かもしれません。

尚、三岐は会社側でグッズとして、運行図表が販売されています。
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【画像】西武新101系

◆三岐線の現有車両について
旧西武新101系、751編成--3両(751-781-1751)
同701系、851編成--3両(851-881-1881)
同401系、101,103,105編成--2両
同701系、801,803,805編成--3両

このような具合となっているようでして、3両5編成、2両3編成の、21両分となります。一番新しい車両でも、西武新101系の1979年製となっており、他は、1964~1967年と、60年近くの車齢となります。

西武新101系での車号対照は、下記の通りです。
751-781-1751→西武283-284,1235-235-236-1236(2両と4両)の内、「283-236-1236」に。「1235-235-284」は、伊豆箱根鉄道の1300系「2201-1401-1301」となります。

2両は1M車ではなく、4両の中間と同じMM'車ですので、3両化も容易な組替となり、前パンタ搭載が三岐に、中間パンタ搭載が伊豆箱根鉄道となります。

この他に、部品取り用として「238-1238」と、都合5両が譲渡、これは、「1237-237」の残り2両で、「1237-237」は、「1237-237-292」として伊豆箱根鉄道に。「291-292」の291は、近江鉄道の部品取りとなっています。

但し、1238のみ、851編成の1881に、脱線事故の影響で、部品取りから復活で改造され、残った中間車の238はその後、車両が解体となったようですので、西武新101系としての部品取り車がなくなっています。

鉄道ファン 2024年 08月号 [雑誌]
鉄道ファン編集部
交友社
2024-06-20


私鉄車両編成表2024
交通新聞社
2024-07-11

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【画像】西武新101系2両で唯一の車両解体となった291
部品取り用として近江鉄道送りも、現在、車両としては解体となったようです。


◆西武新101系2両編成
西武新101系の出物は、地方私鉄としては「喉から手が出るほど欲しい」車両だったのでしょうか? 特に、小回りが利く「新101系2両」は、10両編成の組成などで、14編成存在でしたが……

269F--近江901-1901
271F--流鉄5005F
273F--流鉄5001F
275F--流鉄5002F
277F--流鉄5003F
279F--現在も西武263-266として運行、新車搬入等の牽引車とワンマン車
281F--近江103-1103【ちなみに281Fは、西武時代の走行音収録車のため、余裕があれば、YouTube上で公開も考えています。】
283F--三岐751/伊豆箱根1301
285F--近江102-1102
287F--流鉄5004F
289F--上信電鉄501F
291F--近江部品取り(291)/伊豆箱根1302(292)
293F--上信電鉄503F
295F--近江101-1101

近江104-1104--303-304(1303-1304先頭部流用)
近江105-1105--309-310(1309-1310先頭部流用)

流鉄、以前の総武流山電鉄は、短区間・小規模な路線ですので、2両5編成で車両は統一となっていますし、伊豆箱根鉄道は、旧西武701系の置き換えだけのようです。

近江鉄道は旧西武401系が古い車両で、800,820系と2両13編成がありましたが、廃車が発生し、現在は10編成のようです。こちらも西武101系や3000系投入で置き換えとなっていますが、2両編成の種車も14編成28両と少ない割に、近江での運用・編成数が多いため、全ての車両を置き換えるまでには至っていません。

近江でも、8両固定編成だった西武旧301系を改造、先頭部の流用で中間車の先頭車改造と、大がかりな改造でした。これは、旧西武3000系での、2両2編成の改造も同様です。

部品取りで廃車となった291を除いて、全車、地方私鉄で活躍となっています。279Fだけは西武に残っていますが、新車搬入の牽引車として特殊な用途に、時々、営業運転で活躍も、今後、どうなるのでしょうか?

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【画像】近江鉄道での旧西武101系

◆三岐の車両置き換えで
西武新101系も、地方私鉄に譲渡できるような出物はなくなり、残っている車両は4両編成だけ、3両編成化ですと、大がかりな改造となります。そのまま廃車の運命でしょうか。

西武では2000系の廃車も出て来ており、特に4両編成は、先頭車だけで2両組成も可能(中間車はMM'ユニットに対し、先頭車は1M車)ですが、今の所、譲渡された車両はないようで、全て解体のようです。近江の追加投入も、車両限界等や、会社側の諸事情もでしょうか?

三岐への、新101系の投入が751編成の1編成だけと、中途半端でした。ここで、三岐の会社側が目を付けたのが、「JR東海211系」でしょうか。315系投入でまとまった廃車車両が発生する上、3両や2両もあり、車体も鋼製ではなく、ステンレス合金製と「錆びない車体」であることや、三岐での、貨物列車の設定があったことも大きいでしょうか?

しかし、現在は5運用、過去で6運用が最大、8編成予備2~3に対し、211系は3両10編成も入っています。仮に、6運用で予備2としても、残り2編成は、部品取り用と考えるのが自然でしょう。

現状のまま5運用ですと、予備が3編成と多すぎます。6運用に戻すという前提でしょうか?

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【画像】三岐送りとなった211系一覧

三岐送りとなった211系の編成表は上記の通りでして、LL,SS編成各5編成となります。1988~1989年製造と35~36年の車齢です。車両メーカーは5社が揃っています。

内、SS編成は、神領車の配置でトイレ設置化により、トイレなしだった初期車のクハが交換となり、静岡車でトイレなしが転入でした。クモハ-モハに限っては、静岡で新製配置の車両です。車両番号が異なるのはそれ理由です。

一方、LL編成は、大垣または神領で新製配置の車両で、2006年10月に静岡へと転入された車両です。これは、当時の313系増備によるものです。

静岡で新製配置の車両で、クモハの車番が5600代となります。これは、パンタグラフの折りたたみ高さが、4140mm→3960mmと低い車両です。差は18cmとなりますが、身延線で高さの低い、狭小トンネルがある影響のようです。これらは後期車両に分類されますが、当時の211系車両数の増加で、こうした差異が発生しています。

5600代のクモハと、ユニットを組むモハは、行先表示幕の大きさで、縦が拡大となっており、方向幕の装置も別物となります。この他、JR時代に改造となった、ドアのチャイム、パンタグラフのシングルアーム化、ATS-PT取付、運転状況記録装置などは共通でしょう。

三岐線のATSはJRと同じS型のようですが、そのまま、211系側、ST型の装置が使用できるのかどうかも課題でしょう。列車無線は300MHz帯から100MHz帯と変わるため、三岐線仕様の機器取替となります。そして、三岐仕様のワンマン化改造もでしょう。

SS2編成は、Xの情報となりますが、モーターの冷却方式で、外扇と呼ばれる仕様のようです。

内扇は、221系や211系、311系でもよくある、高速時でもモーター音の静かなタイプですが、一方で、高速時にモーター音がうるさいのが外扇です。東海の211系で、0番代車は新製時から外扇だったようですが、名古屋工場(NG)は、検査毎でのモーターは、元の車両に戻す形ではなく、整備済モーターと単純に交換する形となるためか、検査毎で、5000代や311系でも外扇が搭載となる場合があるようです。

検査出場時期は、3-7NG~6-1NGと、時期は一定しませんが、三岐側での今後の検査を考慮かは分かりません。ただ、直近で、要部検査を出場したLL16編成が来ていますので、その可能性はあると思います。

ちなみに、朝日新聞の記事では、譲渡された車両の累積走行㎞は、700万㎞を超えているようですが、今後の余生で、走行㎞もそんなには溜まらないでしょうから、しっかりと整備をすれば、まだまだ活躍出来るのではと思います。

今後、静岡車での3両残りと、2両9編成、大垣車で213系2両14編成も出てきますが、三岐以外の他社で譲渡車両があるかも注目です。2両物は特に注目でしょう。

予想が出来るのは、伊豆箱根鉄道でしょうか? 他にも、意外な鉄道会社があるのでは???、という感じもしています。


◆これまでの三岐線車両は…
751系を除く車両は、211系に置き換えるのは確実でしょう。問題は751系となりますが、まだ比較的、今後も使えるのは確実な上、三岐では1編成しかないため、他の地方私鉄へと再譲渡も予想出来ます。

そうなれば、三岐線の車両は211系統一となります。三岐の会社側の目的はこれでしょうか? 三岐線の車両置き換えが一段落となれば、三岐線よりももっと車両が古い北勢線で、ある程度の更新費用・予算も組めそうです。

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